現在2名の地域おこし協力隊を募集している奥州市。市役所内でも協力隊の活躍に期待が高まっています。奥州市の副市長に今年4月に着任した江口友之副市長に、奥州市として地域おこし協力隊のどんな活動に期待するのか、副市長にとっての故郷とはどんな存在か、奥州市の資源とはなにか、などをお聞きしました。
ー福岡のご出身とのことですが、副市長にとって故郷である福岡はどんな場所ですか?
18歳までは故郷である福岡が世界のすべてでした。
その後、東京に出たり、こうして奥州市に来させてもらったりして、今では福岡がすべてということではなくなりました。
私は福岡の海沿いの小さなまちの生まれなので、一般的なイメージの福岡とは違いますが、いろいろと物事を見るときの基準だったり、よりどころになっていますね。
いずれにしても、外に出てみて、福岡について考えたり、比較したりということが増えました。
ーもともとは5つの市町村であった地域が奥州市として合併し、「一つの自治体となることで、今ある資源を広い視野で使えるようになるのはいいことだ」とおしゃっていましたが、具体的に奥州市の資源とは何でしょうか?
私が思うには、バランスがいい発展をしていると思います。
開けた土地を生かした農業、鋳物などの伝統工芸もあれば精密機器や自動車もある工業、阿弖流為や奥州藤原氏に代表される観光資源など、なんでもそろっている場所だと思います。
逆に言うと、「これだ」というものがあまりないように思われてしまうのが、難しい面であるのかなと。
ーでは、たくさんある資源を有効活用していく際に、市民ができることや指針のようなものはありますか?
その地域で生まれ育つと地域のことしか知らないので、他との比較ができなくて、実は地域の良いところ、悪いところが分からない。
もちろん、奥州市としてここを押し出していきたいという思いは非常に重要ですが、外からの視点も大切です。
中の人と外の人が協力して「奥州市って資源になるよね」というようなことを考えていくのが重要なんじゃないかなと。
ー“地域おこし協力隊”の中には、副市長のように初めて奥州市に住む方が応募してくると思われますが、奥州市に住む前はどんな暮らしをイメージされていましたか。
私は奥州市という名前は知っていたんですが、何があるのかまでは正直、知りませんでした。
いわんやどういう暮らしかというのも分からなかったんですが、市の面積が広いということもあって、とにかくいろんな場所がある地域だと感じました。
人がたくさん住んでいる都会的な場所もあれば、田舎暮らしができる場所もありますよね。
ー実際に住んでみていかがですか?
とても暮らしやすいですね。
私自身が、住んだところを好きになるという性格もありますが、いいところだと思います。
地域おこし協力隊の方も、便利なところに住むこともできるし、田舎暮らしもできるし、多様な暮らしができると思います。
ー最後に、“地域おこし協力隊”の方に期待することを教えてください。
期待は大きいです。
奥州市には良い農畜産物があるので、これをなんとか商品価値の高いものとして売り出すためのお知恵を頂くとともに、“地域おこし協力隊”の方だけでなく市職員も行動します。
奥州市としてはまだ10年ですから、市としての可能性は今から開拓していく時期なので、やりがいがあると思います。
これまで築いてきた下地をもとに、先駆者として引っ張ってもらいたいです。
ぜひ、奥州市で一緒に頑張りましょう。