田んぼがつなぐ、作る人と食べる人

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奥州市内の1枚の田んぼを、首都圏から訪れる団体がいます。
ネパールのハンディクラフトや食品の企画、開発を行い、フェアトレードに取り組む「ネパリ・バザーロ」です。

1992年から26年に渡ってネパールへの自立支援を続けてきたネパリ・バザーロが、初めて奥州を訪れたのは2014年のこと。
陸前高田市の椿油に北限のゆず、三陸のワカメ、ネパールの天然ハチミツなどを配合した新企画の化粧品に、奥州の「お米でできたエタノール」を使用したことがきっかけでした。

陸前高田市にある宿泊施設「箱根山テラス」のアメニティにもなっている「Kūne(クーネ)」シリーズ。「Kūne」はエスペラント語で「共に」という意味。

陸前高田市にある宿泊施設「箱根山テラス」のアメニティにもなっている「Kūne(クーネ)」シリーズ。「Kūne」はエスペラント語で「共に」という意味。

「東日本大震災後、沿岸地域への支援から派生する形で、素材にこだわった化粧品の企画が立ち上がって。その化粧品に奥州のお米でできたエタノールを配合することになりました。私たちは普段から、実際に産地に行き、生産者の方に直接会うことをとても大事にしています。その一環でエタノール米の田んぼを見に来たのが奥州への初めての訪問でした」

こう話すのはネパリ・バザーロ代表の高橋百合香さん。

エタノール用の米を栽培する「農事組合法人アグリ笹森」は、「ハンバーグレストランびっくりドンキー!」の契約栽培を行うなど、食用米も多く作付けしています。

アグリ笹森のみなさんの人柄にふれ、米作りへの想いに意気投合した高橋さん。
この出会いがきっかけとなり、ネパリ・バザーロの通販サイト「verda」でアグリ笹森が栽培する食用米「岩手奥州ひとめぼれ うん米」の取り扱いが始まりました。

コロンとしたかわいいカタチの「うん米CUBE」は、真空パックで2号入り。このほか、4.5kg袋入りの省農薬米と無農薬米は好きな精米度合を選べる。無農薬米は、予約の時点で完売する人気商品なのだそう。

コロンとしたかわいいカタチの「うん米CUBE」は、真空パックで2号入り。このほか、4.5kg袋入りの省農薬米と無農薬米は好きな精米度合を選べる。無農薬米は、予約の時点で完売する人気商品なのだそう。

「アグリ笹森さんは私たちにとって、最初からスムーズに両想いになれた生産者さんなんです。こちらの期待以上の対応や思いやりを見せてくれて、本当にいい方たちばかりで、いつも感動しています。」
と、笑顔の高橋さん。

現在は米の取り扱いだけでなく、毎年春の田植えシーズンと秋の稲刈りシーズンに、ネパリ・バザーロのスタッフとお客様が参加する現地ツアーも開催されています。
取材日は田植えツアー当日。
気持ちのよい快晴の下、大人も子どもも素足で泥を感じながら手植えをスタート。

ツアー参加者のほか、地元の参加者も初めての手植えを体験していました。

ツアー参加者のほか、地元の参加者も初めての手植えを体験していました。

組合長の織田義信さんを始め、アグリ笹森のみなさんも総出で田植えをレクチャーしたり、餅つきやバーベキュー、漬物やお雑煮など昼ごはんの用意をされていました。

つきたてのお餅はおろしわさび、納豆、お雑煮でいただきました。

つきたてのお餅は、生わさび、納豆、お雑煮でいただきました。

繁忙期にツアーの受け入れをするなんてさすがですね、と織田さんに声をかけると、
「農作業は毎日、地道な作業の繰り返し。だからこういうイベントがあるとこちらも楽しみなんだよね。毎年来てくれる人も多いから、今じゃ親戚みたいな付き合い。米を作る私たちが食べる人たちと直接会えて、信頼を深める機会になるし、こういうお客さんがいることが私たちの強みだなと思います」
と、にっこり。

織田さんの言葉通り、アグリ笹森のみなさんが参加者との交流や久々の再会を楽しんでいる様子が伝わってきます。
生産者と消費者の垣根を超え、親戚のように付き合う。
田んぼから生まれた楽しいつながりがこれからも続いていきそうです。

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