米im♪My夢♪Oshu主催 循環型農業をめぐるツアーが9月5日、6日に行われました!
循環型農業に取り組んでいる米im♪My夢♪Oshuのメンバーが仙台、東京、香川、福岡など
全国各地からの参加者へ、プロジェクトを紹介し、循環の現場を案内するツアーです。

無農薬、減農薬でお米作りに取り組む農事組合法人アグリ笹森の事務局長の織田義信さん。
1日目、まず最初は田んぼから。収穫直前の飼料米「つぶゆたか」を目の前に、アグリ笹森事務局長の織田さんよりお米の説明を受けました。循環のスタート地点である田んぼからこのツアーもスタートしました。
次は、見分森展望台へ。奥州市の田園風景を眺めます。
引き続き、織田さんより、山から流れる水の経路や、水をめぐる先人の歴史などの説明をしていただきました。

胆沢平野は日本三大散居のひとつと呼ばれていて、家々が分散し、またその家の周りには防風林(屋敷林)があることが特徴です。
つづいて、徳水園の円筒分水工へ。
先人が、長く続いていた水争いを解消するために自然落差でそれぞれの田んぼへ公平に水が流れる方法として、この円筒分水工を作りました。
この地の水はとても水質がよく、浄水された水道水の他にも地下水をひいている家庭も多く農業道具を洗ったり、作業をして汚れた手や足を洗うのに使われ、またその水を使って育てる米はとても美味しく育つとのこと。私たちが普段食べているお米が美味しい理由のひとつですね!

円筒分水工では4月20日頃から10月までの午前10時から午後4時までそれぞれ1時間毎に15分間、噴水を見ることもできます。
その後は、米im♪My夢♪Oshu代表の及川久仁江さんの畑で野菜収穫体験に。
及川さんの畑では発酵鶏糞を肥料に使って育てた野菜作りに取り組んでいます。
その畑で収穫されたトマトは「まいむとまとぴゅーれ」として販売もされています。

トマト、ナス、オクラ、きゅうり、枝豆などなど、いろんな種類の野菜は夜のBBQと2日目の朝食でいただきました!
場所を胆沢から前沢へ移し、お米からエタノールを作るラボ「ファーメンステーション」の見学へ行きました。

ファーメンステーション代表取締役の酒井里奈さん、
またツアー事務局も務める渡辺奈津子さん、渡辺麻貴さんが抽出されたエタノールや発酵・蒸留装置などを実際に披露しながら説明してくださいました。
無農薬で育てた米を原料とし、発酵、蒸留、脱水を行い、アルコール濃度99%以上に精製して、エタノールが抽出されます。
またエタノールを製造する作業でできたもろみ粕も有効活用され、石鹸が作られています。

お米を原料として作られた数々の商品、お米でできた消臭スプレー「コメッシュ」や虫除けスプレー、化粧水、もろみ粕で作った石鹸など。
地元の温泉「舞鶴の湯」も堪能したあと、胆沢の農家、阿部さんのご自宅でBBQ交流会。

阿部さん宅ではアグリ笹森の方々がおもてなししてくださいました!
収穫したばかりの野菜や、前沢牛など豪華な地元の食材が用意され
見学中に聞けなかったことや、県外参加者の普段の活動など、話も箸もよく進み
ツアーがより深まる、充実した時間となりました。
宿泊場所は、及川さんのご自宅に併設されている、農村民宿まやごやへ。
1日目だけでも5ヶ所をまわる充実した内容。2日目にそなえて疲れを癒やします。
2日目は「まっちゃんたまご」の松本養鶏場へ
松本養鶏場ではにわとりを天敵のきつねやたぬきなどから守りながら、自由に動き回れる「平飼い」をしています。

ナビでは行き着けない、細い道をひたすら進むと鶏の鳴き声が聞こえてきました。
エサにはこだわりの胆沢のお米を使用し、他にも地元産の大豆やおからに加え、カキの貝殻や、はじき野菜などすべて国産のものを与えています。

鶏は中枢が発達していて意識しなくてもバランスがとれるそう。
頭部を固定する能力も発達していて揺らしても頭はぶれません。すごい!
お米を主食とする松本養鶏場のにわとりの鶏糞は田んぼや畑で肥料として使われています。
2日間に渡るツアーの締めは、水沢区のナチュラルハウスでランチ会。

「ツアーで食べるものはほんとにおいしいからたくさん食べて太っちゃう!」参加者から嬉しい悲鳴も聞こえてきました。
ツアーの振り返りをしたり、また市内参加者から奥州市のおすすめスポットを聞き出して、ツアー終了後の予定を立てたりと、県外参加者のみなさんは、すっかり米im♪My夢♪Oshuと奥州市のファンになってくれていました。
循環型農業をめぐるツアー。
休耕田からできた米はエタノールから消臭スプレーや化粧品などに生まれ変わり、そこでできた粕はにわとりのエサへ。そのにわとりの糞はまた新たな野菜や米を育てる肥料へ。
奥州市だからこそできる地域循環を存分に体験した上に、たくさんの人との繋がりができた充実した2日間。
自分の身の回りのものがこんな素敵な取り組みから生まれていると知ったら
普段、使うモノにも食べるモノにも、感謝の気持ちがよりいっそう強くなりますね。
(記事:宮本拓海)
(写真:菅原結衣、宮本拓海)