農と人をめぐる #9 「やるなら楽しく、恐れずに」がモットー。地域の農業の仕掛人。

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見渡す限りに田園風景が広がる胆沢平野。
田園の中にぽつりぽつりと家が点在する胆沢の風景は、日本三大散居村のひとつです。

散居photo夏

胆沢区で農業の中心的存在として活躍する佐々木富士夫さん。
継がないと決めていた家業だった農業を継ぎ、
産直の立ち上げや大手メーカーとの契約栽培など、地域の農業に新しい風を吹き込こんでいます。

「やるなら楽しく、恐れずに。」がモットー。

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学生の頃、農業に対して良いイメージがありませんでした。
朝から晩まで働いたのに給料が安いとか、悪いところばかりが目についてしまっていたんです。
もちろん農業にも良い所はあるのですが、親の苦労している姿を見ると農業には良いところがないと思ってしまったんですね。
それで農業が嫌いになりました。
農業にどっぷり浸かっているこのまちも嫌いでしたね。

だから自分が働くなら外に出たいと思っていたんですが、もしも私がいなくなったらこの地域の農業はもっと大変になるんだろうなと思いました。
そんなこんなで地元に残ることを決めたんですが、気付いたらもう長いこと農業をやっていますね!

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奥州市の主力作物である米の栽培以外にも、小麦栽培やジャガイモの契約栽培をされている佐々木さん。
今年から本格的に菓子製造メーカーカルビーのお菓子の原材料となるジャガイモの栽培をスタートしました。
8月上旬はジャガイモの収穫の真只中。
14haの畑で活躍するのはこのポテトハーベスタ。一度に6人程度がこのポテトハーベスタに乗り込み、収穫と同時に選別の作業を行います。アメリカンな空気すら感じるスケールの大きさに一同衝撃を受けました!

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地元のお母さん達の生きがい産直「あじさい」

地場産品200品目以上を取り扱う胆沢区の産直「あじさい」の立ち上げにも関わった佐々木さん。
平成11年から運営をはじめた産直は、現在約70名が運営に関わり地元のお母さんたちの生きがいとなっています。

農家女性が中心となり、直売所や加工施設・食堂の運営・学校給食や旅館への提供等、様々な取組を実現しています。

検討段階から産直は女性に任せようと決めていました。
当時専業主婦の多かった地域で、お母さん達の収入源は多くありませんでしたから。
自立した生活をするためにも、この産直が必要だと思っていました。
組合員みずから出資することで責任感がでましたし、何よりお母さん達は出資した分を回収しようとやる気になってくれましたね。

当時まだそれほど多くなかった産直の立ち上げに、多くの反対意見もありましたが、
産直があって良かったと言う声が組織内からも聞こえるようになりました。
産直あじさいは、生産者や地域の方を繋げるコミュニティの場としても大切な役割を担っています。

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人手が不足しているこの地域に必要な人材は?という質問に対して、
「私たちがその人に合わせる。」という答えが返ってきました。

農業以外のスキルがある人に、いきなり農業をやれといっても大変ですから。
私たちが働ける土台づくりをしますよ。

この地域や農業という仕事を選択してくれた人ならどんな人でも活躍できるような環境づくりを目指し、雇用を増やしていくことが佐々木さんの目標なのだそうです。

今日もどこかで作戦会議。
地域の仕掛け人、佐々木さんの夢は尽きない。

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