使用する素材や調理工程にこだわった本格的なハンバーガーを味わうことができる「GROW」が2016年12月、江刺区にオープンしました。
幼い頃から馴染み深い食べ物だった
店主の菊地良太さんがハンバーガーと出会ったのは幼少期。実家にハンバーガーの自動販売機が設置されていたことがきっかけでした。
「自営業をしていた父はアメリカンカルチャーが好きな人でした。その影響もあってか実家のすぐ近くにハンバーガーの自動販売機があったんです。
昔は保存方法が今ほど優れていなかったから、業者が自動販売機にできたてを入れてから1日経つと販売できなくなってしまう。その残りをもらって食べていたので、ハンバーガーはとても身近な食べ物でしたね」
当時、市内にはチェーン店含めハンバーガーを販売しているお店がないながら、「ハンバーガーで育った」菊地さん。
市内飲食店での調理経験を経て、30歳となる節目の年に「GROW」を開業しました。
メニューには12種類のハンバーガー、サイドメニュー、ビール、ソフトドリンクが並びます。目にする機会の少ないメニューも多く、特にビールやソフトドリンクは取り扱いの難しい、海外のものも。
店内の空間も含め、菊地さんが好きだという「アメリカンカルチャー」が表現されています。
ボリューム満点。こだわりをもって作られるハンバーガー
菊地さんが特におすすめするメニューは2種類。
まずは、地元の食材を活かした「江刺りんごとゴルゴンゾーラバーガー」
「ハンバーガーの奥が深いのは、甘い物をはさんでも美味しく食べられるところなんです」と菊地さん。
甘く煮たリンゴとゴルゴンゾーラチーズの独特な香りは相性ばっちりです。
もうひとつは「ベーコンチーズバーガー」。
ベーコンは、国産の豚肉を原料に、味付けから燻製までを1週間かけて自家製で行っています。
菊地さんが1番こだわっているのは、どのバーガーにも共通なバンズとパティ。
バンズは東京・峰屋から取り寄せたものを使用しています。
一口で食べることができ、肉汁などが染みすぎない、ほどよい弾力感と、他の食材によく合うほんのりとした甘みが特徴。
パティは、ブロック状態の肩ロースから丁寧に脂身と筋をとり、部位によって切り分ける粗さを調整しています。
焼き加減は、おいしく柔らかく食べられるようにミディアムに。
「バンズとパティがしっかりしていないと美味しいハンバーガーにはなりません。まだまだ追求し続けています」と菊地さんは話します。
「これまで、飲食店だけではなく、工業系の製造業やアパレル関係など色々な職種に就いていました。
飲食店で初めて働いた時に『自分はこれで生きていく気がする』という感覚を持ったことで、今があります。
自分がつくるだけでも、接客するだけでもなく、調理をして、直接お客さんに届けて、食べてもらった反応がわかる。
それがこの仕事のとても好きなところです」
と笑顔でお話してくれた菊地さん。
丁寧に時間と手間をかけて作られたハンバーガーを味わいに、ぜひ訪れてみませんか。