もしも世界で唯一の研究所がこの街に出来たら

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ILCってなに?

「ILC」新聞やテレビのニュースで目にする機会が増えました。
奥州市と一関市にまたがる北上山地が世界で唯一の建設候補地となっています。

ILCが奥州市にやって来たら私たちの街や暮らしにどんな変化が起きるのでしょうか?
ILCがやってくると、国内外から研究者とその家族が施設の周辺に集まります。
数にして約1万人が移り住むことになり、その中には外国籍の方々も数多くいます。
外国人を街や学校で頻繁に見かけるようになるかもしれませんし、多言語での表記が当たり前になり、店員さんなどは英語で話す必要があるかもしれませんし、外国人の友達と遊ぶようになるかもしれません。

「素粒子物理学の研究施設」と聞くとなんだか難しく感じますが、ILCによって私たちの生活や文化は大きく変わるかもしれません。
今回は奥州市役所におじゃまして、政策企画課ILC推進室の亀井さんにお話をお聞きしました。

ILCという単語はよく聞くのですが、簡単に言うと何なのでしょうか?

一言で言うと、巨大な科学実験施設です。
ここでの実験が、宇宙の始まりやブラックホールの正体、時間と空間の謎等の解明につながるだけでなく、新薬の開発、ガン治療など、医療分野にも役立つことが期待されます。

ガン治療にも貢献するとは知りませんでした。ざっくりと、今後のスケジュールは決まっているのでしょうか?

平成28年の3月頃を目処にILCに関する調査チーム(有識者会議)が国に対してILC計画の経費の全容や社会的影響などについて検討結果をまとめ、それを基に国が最終決定を出します。
その後、施設を作るにあたっての準備やまちづくりがスタートします。
実際の研究所の稼働は早ければ39年度頃を予定していますね。

ILCができたら、奥州市は具体的にどんな風に変わるのでしょうか?

暮らしに関わるところで言うと、国内外から研究者がILCの周辺、つまり奥州市~一関市を中心に集まります。
研究者とその家族、数にして約1万人が居住、滞在することになります。

仮にILCの建設が決まったとして、建設費はおよそ1兆円ということですが、まちづくりに関してはまた別の費用がかかるんですかね?

はい、別ですね。

それは市が負担するんですか?

それはまだ分からないんですよ。
施設の建設に関しては、いろんな国の研究者が施設を使うため、日本だけでなく世界の国々が費用を負担することになりますが、まちづくりに関しては日本国内での話になると思います。
圏域のグランドデザイン(まちづくりの長期的な計画)に基いて、国や県、市町村が分担することになるのではないでしょうか。

先ほど、海外からの研究者がやってくるというお話がありましたが、その場合、研究者の子どもたちはインターナショナルスクールに入りますか?例えば、水沢中学校に入るなんてこともあるんですかね?

それについてはその家族の判断ですね。せっかく日本に住むのだから日本の学校に入れようということもありえますし、インターナショナルスクールに入れたいということもあるでしょう。インターナショナルスクールの需要が高ければ、市内に建設される可能性もあります。

一部ではILCの施設(全長約31kmのトンネル型施設)ができることで景観が壊れるのではという疑問も出ていますが、そういうこともあるんでしょうか?

施設実験機器が入るトンネルは地中に作られるので、景観を大きく壊す心配はないと言われていますね。また、県などは環境を壊さないように周辺調査も実施しています。

東海村の同じような施設で事故がありましたが、そういった心配はないんでしょうか?

事故というのは思いもよらない事態を指すので、どんな場合においても可能性がゼロであるとは言えません。原子力発電所のような施設をイメージされる方もおりますが、ILCはそれとは仕組みが全く異なります。辺り一帯は、レントゲンやガン治療装置を扱う医療機関のようなイメージが近いと思います。

もうひとつ似たような施設でKEK(茨城県つくば市の高エネルギー研究施設)が挙げられると思うのですが、周辺の街の様子はやはり相当変わったんですかね?

東京とつくばを結ぶ鉄道もでき、ここ数年でかなり発展しました。駅前なんかもおしゃれになりましたし、学術研究都市の関係もあって研究者も増えています。
つくば市の子どもたちが将来なりたい職業のダントツ1位は科学者だそうです。

*筑波学術研究都市が擁する日本人の博士号取得者は7,000人に及ぶと言われている。

市としてはILCに関連してどのような動きが始まるのでしょうか?

まずは、まちづくりに関するビジョンを作ります。
国の決定を待ってから「さてどんなまちにしようか」と、まちづくりの計画をつくり始めると大幅な遅れを取ることになるので、27年度中にビジョンを出す予定ですね。
そのためにもまちづくりに関する市民のみなさんの声を集めたいと思っています。

まちづくりと切っても切れない存在になるILC
OSHU LIFEは今後もILCに注目していきたいと思います。

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