縁あって福島から奥州市に移住された佐藤もとさん。
衣川にある旦那さんのご実家に入ることになったのが13年前のこと。
消費者として地産池消を意識した生活を実践しつつ、地元のアマチュア講談師、ヨガ講師、地元のラジオ局「奥州FM」のパーソナリティーなど、活躍の場を広げています。
「奥州市に暮らしてよかったことは?」と聞くと、「水がおいしいこと!」と即答。
奥州市に住む前は福島、宮城にいたんですが、水がおいしくなくて浄水器をずっとつけていました。
こちらにきて初めて浄水器のない生活を経験しました。
においもないし!ほんとうにおいしいですよ!
生活面でのよいところは、子供たちに、「知らない人でも会ったら挨拶しなさい、と自信を持って言えること」だと話す。
都市部では薄れてしまう隣人との付き合いが残る衣川。地域ぐるみで子供を育てられる環境も、まちの魅力です。
都市部だったら怖くて言えないですね。
こちらはまわりの住民みんなが気をかけてくれるので、安心して子育てが出来る。
6次産業化プロジェクトの推進チームに入るきっかけは、ラジオのレポーターをしている最中に奥州市役所の上條さんに出会ったことだった。
上條さんとお話する機会があって、水のおいしさについて熱弁しました。
それから個人的な想いをお話しさせてもらい、「子供に安心の食を」と考えていると話したことがキッカケで、プロジェクト立ち上げの話をもちかけられました。
当初は「私なんて」という思いがあったが、市からの、「消費者目線としての意見も取り入れたい」という打診もあり、推進チーム入りすることに。
同じラジオのレポートの場には、6次産業的な観点から発酵させた飼料用米をエサとして、平飼いの卵を生産している松本養鶏場の松本さんもたまたま居合わせた。
ちょうど買い先を迷っていた卵のことで意気投合し、先日、自身がパーソナリティーをつとめるラジオ番組「胆江ふるさとノート」で松本さんをゲストに迎え、生産者のお話をラジオを通じて語ってもらうことで、地元への思いや生産者のこだわり、農畜産物を作る強い気持ちをリスナーに発信していきたいと考えています。
さらに、奥州市が抱えている地域課題については「守りすぎて変われないこと」だと話します。
「新しいものを受け入れることに少し臆病になっているかなぁ」と。
残していきたい様々な文化や歴史は守りつつも、新しく吹いてくる「風」を良いものはどんどん受け入れて、良い意味で変わっていく必要があると思います。
その意味でも地域おこし協力隊の方が来たら、地域にとけ込めるようにサポートしたいと思います。
「どんな人に地域おこし協力隊として移住してほしいか?」という問いかけには「奥州市のお米を食べておいしいって思ってくれる方!」と、これまた即答。
ラジオを通じた“生産者と消費者”の橋渡しに加え、“奥州市を客観視できる移住者と受け入れる地域住民”のつなぎ役としても期待が高まります。