水沢銘菓「麦つき節」をはじめとする、
昔懐かしい和菓子を中心とした菓子処後藤屋
和菓子とアイスを組み合わせたアイディア商品や、
コンビニエンスストアでの和菓子の販売など、
日々新しい挑戦をし続ける、後藤屋の専務である、
後藤大助さんにお話を伺いました。
ー28歳の時に地元である水沢Uターンされたそうですが、
そのキッカケはなんだったのでしょう?
水沢に戻ってくるまでは色々な仕事をしていました。
ただ都会は人材も豊富で自分の代わりなんていくらでもいるんですよ。
自分じゃなきゃ駄目な仕事じゃなかったんですね、結局のところ。自分の店のお菓子ってそれまであまり食べた事はなかったですが、
外に出てみる事で、その良さや代々続いている歴史の凄さに気づかされたんです。
そういった想いがあり、地元水沢に帰る事にしたんですね。
あとは、自分の中の想いとして、
「経験した事は、地元に還元すべき。」
という考えがあって、外で色々と経験した事を、
生まれ育った街に還元したいという気持ちも大きいです。ここに住まないにしても、何かしらこの地に注いで行くという事をするべきだと思います。
ーお菓子づくりの経験が全くない中で、
お菓子屋を継ぐ事に不安はありませんでしたか?
もちろんありました。笑
今は専務という立場ですが、
この和菓子屋を守って行くという思いで毎日過ごしています。残してもらった財産を、自分がより輝かせる。
そして一人でも多くの人に知ってもらう事が、
自分のやるべき事なのではないかと思っています。自分は、お菓子づくりができない分
素人の目線を持ち味にしたいと思っています。個人の目線から見て、おいしいもの、そうでないものを日頃から
意識していく事でお菓子屋にも還元していきたいなと。
ー地元のファミリーマート(水沢寺小路店)で麦つき節とどらやきを販売されているそうですが、その意図とは?
ファミリーマートの方にも協力頂いて実現したのですが、
「和菓子は敷居が高い」という固定観念を取り払うという目的があります。「店に入って買うのはなぁ…」
っていう若い方もコンビニだったら気軽に買えるんじゃないか?
といった発想がキッカケとなっています。実際にコンビニでうちの商品を購入した方が、
今度はお店に来て買って行ってくれるようになりました。そういったチャレンジをして、
後輩にその姿を見せる事がこれからの若い人にとっても、
自分にとっても大事だと思っています。
ー最後に、これからの目標をお聞かせください。
種類を沢山増やすというよりも、
昔からあるものを、
より良くしていく事を大切にしたいと考えています。麦つき節をはじめとする、
どらやきなどを圧倒的に美味しくなるように追求していきたいですね。職人さんあっての和菓子屋なので、
私や若い職人が色々なアイディア考えて、
それをベテランの職人がサポートする。
というような良い環境を作る事も自分の仕事でもあると思っています。それと、和菓子はコミニュケーションのキッカケを作るいいツールだと思うんですよ。
「今日のあんこはすこし甘いかな?」とか。
「懐かしいね!これ」とか。機械による大量生産のお菓子では出すことが出来ない、
良いものに触れる喜びや感動を味わってもらいたいですね!それを生み出せるのが後藤屋のお菓子だと信じていますので、
変わらないものを守りつつ、
良い意味でこれまでの常識を覆す。
そんな取り組みをしたいと思っています。
長年の伝統があってこその、
新しい発想との融合。
非常に良いお話を聞く事ができました!